多焦点眼内レンズとは
白内障手術は従来、単焦点眼内レンズというものを使用していました。この単焦点眼内レンズは、遠方用、近方用どちらか向けになっているので、遠方に焦点を合わせると、近くのものを見るには老眼鏡が手放せなくなり、近方に焦点を合わせると、遠方を見る場合には近眼用の眼鏡が必要になります。こういった従来の単焦点眼内レンズと違い、多焦点眼内レンズは、遠くのもの、近くのもの、どちらにも焦点を合わせられるいわば遠近両用の便利なものです。日本ではこれまでにもこの多焦点眼内レンズが発売されていますが、精度がよくなく、あまり使用されずにきていました。しかし、アメリカで性能のよい多焦点眼内レンズが数年前より発売され、現在欧米では、白内障の手術の2割ほどが、すでにこの多焦点眼内レンズを使用していると言われています。そして、そのアメリカで開発された2種類の多焦点眼内レンズは、2007年夏に、厚生労働省の認可をうけ、日本国内での使用が可能となりました。また、2009年にもさらにもう1種類の多焦点眼内レンズが認可を受ける予定となっています。多焦点眼内レンズは白内障の方だけでなく、老眼の手術を同時にすることを可能にした非常に画期的なものです。
多焦点眼内レンズの利点と注意
多焦点眼内レンズは遠視、近視どちらにも対応できるため、手術後は眼鏡が不要になるか、あるいは、使用頻度は減ることになります。特に、近方でものみることが多い場合(パソコン、将棋、囲碁など)に適しています。また、その他、ゴルフやテニス、料理や楽器の演奏など趣味を楽しみたい方にも多焦点眼内レンズは特に喜ばれます。しかし、多焦点眼内レンズを使用していると、暗い所では、従来の単焦点眼内レンズと比べると、多少ものがはっきりと見えない場合があるため、夜間運転の多い方には特に注意が必要です。また乱視が強い方にも向きません。新しい医療技術を積極的に利用して、生活の質の向上を図りたいですね。
